【宿泊業を例に解説】「就労ビザ」の考え方・選び方について

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人材を採用には柄や能力、社風適合性には着目しますが、外国人を雇用する場合にはまずは「在留資格」に着目しなければなりません。日本人や身分系の在留資格を持つ外国人の場合は、「人物」に着目する採用方法で間違いありませんが、外国人雇用の場合は在留資格毎に就労できる範囲が決まっているため、まずは「業務内容」そのものが問題なく雇用できるものなのか、また該当する在留資格の要件を満たす人材であるかも確認しなければなりません。本編では、多くの種類での就労ビザでの就労が可能な宿泊業を例に、外国籍人材を雇用する際の「就労ビザ」の選び方・考え方について解説をします。

“就労ビザ”について

日本には在留資格が29種類ありますが、そのうち19種類+α(特定活動の一部)が就労が可能な在留資格になります。それぞれの“就労ビザ”毎に認められている活動内容があります。

在留資格とは

「在留資格」とは、外国人が合法的に日本に上陸・滞在し、活動することのできる範囲を示したものです。2022年5月現在29種類の在留資格があります。在留資格は「ビザ」という名称で呼ばれることが多いです。
在留資格は、活動内容や身分(配偶者・子など)によって割り当てられています。日本に滞在するすべての外国人が、何かしらの在留資格を持っているということになります。よって、外国人は活動内容や身分(ライフスタイル)に合わせて、在留資格を変更しながら日本に滞在することになります。

在留資格の一覧は下記になりますが、言い換えると以下に当てはまるものがない場合は、日本での滞在はできないということになります。

“就労ビザ”とは

日本の在留資格制度では「就労が可能な在留資格」とそうでない在留資格があります。「就労が可能な在留資格」では、それぞれに可能な業務内容が決められています。

就労が可能な在留資格は19種類+α(特定活動)がある

日本の在留資格制度では、「就労ビザ」という名前のビザ(在留資格)はありません。活動内容毎に在留資格が定められており、19種類の就労系の在留資格と、就労が認められる「特定活動」(活動目的は十数種類)があります。在留資格毎に可能な業務内容(活動内容)の範囲が定められているため、日本に存在するすべての職種であっても働くことができる、という訳ではありません。よって、業務内容次第では、その職種自体に就くことが日本では制度的にできないということもあります。

一方で、「身分・地位に基づく在留資格」は活動制限がありません。
「身分・地位に基づく在留資格」には『永住者』『日本人の配偶者等』『永住者の配偶者等』『定住者』の4種類があります。身分系の方に関しては、在留資格が維持できる限り日本人と同様に制約なく働くことができます。

業務内容によって選択すべき“就労ビザ”が変わってくる

日本の在留資格制度は、在留資格毎に細かく業務内容(活動内容)が定められています。例えば、宿泊業(ホテル・旅館等)の場合は、以下の在留資格が想定されます。
※就労系の在留資格ではないパートやアルバイトに位置付けられる在留資格もまとめました。

在留資格名活動内容
経営・管理経営者、管理者(取締役・部長クラス)
技術・人文知識・国際業務フロント(翻訳通訳、予約管理、マーケティング)、企画広報、代理店への営業、人事 等
特定活動(46号・本邦の大学卒業者)フロント(翻訳通訳、予約管理、マーケティング)、企画広報、人事、レストランサービス、接客、配膳、ベッドメイク 等
技能(コック)外国の料理(例えば、中華料理、フランス料理など)の料理人としての業務
特定(ソムリエ)ぶどう酒の品質の鑑定、評価及び保持並びにぶどう酒の提供に係る技能を必要とする業務
企業内転勤海外の本社・支社から転勤をする場合。業務内容は「技術・人文知識・国際業務」と同じ
高度専門職1号・2号「経営・管理」「技術・人文知識・国際業務(翻訳通訳等は除く)」「技能」の要件を満たす人で、ポイント制で70ポイント以上の場合
特定技能(宿泊分野)フロント、企画・広報、接客及びレストランサービス等の宿泊サービスの提供に係る業務
特定技能(ビルクリーニング分野)多数の利用者が利用する建築物(住宅を除く)の内部の清掃(日常清掃、定期清掃、中間清掃、臨時清掃)
特定技能(外食分野)外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)
特定活動(外国人料理人・外国人製菓衛生師)調理・製菓の専門学校卒業生が引き続き、日本の調理技術を実習しながら取得するもの
特定活動(外国人美容師)美容師の専門学校等で習得した技術や知識を活用し、育成計画に基づき行われる美容に関する業務を行うもの
技能実習日本の技能を習得し、母国に技能移転をすることを目的とした実習を行うもの
特定活動(ワーキングホリデー)
※就労ビザではない
休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度
特定活動(9号・インターンシップ)
※就労ビザではない
学生が在学中に企業等において自らの専攻及び将来のキャリアに関連した実習・研修的な職業体験を行うもの
留学生・家族滞在 等
※就労ビザではない
週28時間以内で認められる資格外活動(包括許可)内でのパートやアルバイト
身分系の在留資格
※就労ビザではない
活動制限なし(どのような業務でもOK)

※企業の規模等、許認可の取得状況によって選択が難しい場合もあります。

そして、それぞれの在留資格には「要件」があります。その在留資格を取得できるかは人材の「職歴や学歴」などが関わってきます。また、就労する場所についても必要な場合には許認可の取得が求められることもあります。
“就労ビザ“は、「どこで」「だれが」「どのような業務をするのか」という3つのポイントがリンクすることで初めて「許可」されるものになります。どれか一つでも欠ける場合は「要件を満たさない」ということになり就労ビザの許可は得られません。

ホテル・旅館で就労可能な在留資格について

おそらく最も多くの種類の“就労ビザ”を持つ人材を雇用できるのが宿泊業ではないでしょうか。リゾートホテルのような大きな事業所の場合には、様々な職種の外国籍人材を雇用することが可能です。

在留資格と業務内容の関連性のイメージ

“就労ビザ”を取得できる人材は基本的にはスペシャリストになります。在留資格毎のに定められた業務内容に関するスキルをもって、それが最大限発揮できる就業場所で業務を行うことになります。
ただし、在留資格によって活動の範囲の幅にばらつきがあります。組織に合った在留資格・人材を採用を考えなければなりません。

※身分系の在留資格(「永住者」「永住者の配偶者等」「日本人の配偶者等」「定住者」)は、活動制限が無いため、どのような業務内容・雇用形態でも問題ありません(日本人と同様の雇用の仕方ができます)。

フルタイム雇用向け就労系の在留資格

ここでは「だれが」「どこで」「どのような業務内容をするか」ということについてポイントをまとめました。
※詳しい情報は各リンク内で確認できます。

在留資格『経営・管理』

在留資格『経営・管理』では、社長もしくは比較的大きな企業の取締役や部長クラスの方が取得する在留資格です。イメージとしては大手ホテルの支配人クラスが該当してきます。
※企業の規模にもよるため、『経営・管理』が許可されない場合もあります。

ポジション・業務内容支配人・管理者(部長・取締役クラス)
人材に係る要件事業の経営又は管理について3年以上の経験(大学院において経営又は管理に係る科目を専攻した期間を含む。)がある
企業・事業所に係る要件
(主な要件)
・日本に居住する身分系の在留資格を持つ人もしくは日本人2人以上の常勤職員がいる事業所もしくは、資本金の額または出資の総額が500万円以上ある

在留資格『技術・人文知識・国際業務』

在留資格『技術・人文知識・国際業務』では、学校で学んだことを活かして行う業務や、翻訳通訳などの国際的な背景を活かした業務を行うことができます。代表的な就業例は、フロント業務(マーケティング、予約管理、通訳)や企画広報、代理店への営業、人事などが挙げられます。

ポジション・業務内容フロント(翻訳通訳、予約管理、マーケティング)、企画広報、代理店への営業、人事 等
人材に係る要件・短大/大学/大学院 卒業
・日本の専門学校 卒業
・従事する業務に関連する業務についての10年以上の実務経験

【翻訳通訳がメイン業務の場合】
・大卒以上
・翻訳通訳業務についての3年以上の実務経験
企業・事業所に係る要件
(主な要件)
日本に所在する企業

在留資格『特定活動(46号・本邦の大学卒業者)』

在留資格『特定活動(46号・本邦の大学卒業者)』は、『技術・人文知識・国際業務』に似た在留資格にはなりますが、『技術・人文知識・国際業務』の在留資格よりも幅広い業務(例えば、現場作業やサービス業務)に従事することができることが最大の特徴です。ホテル・宿泊業の場合は、レストランサービス、配膳、接客、ベッドメイク、清掃業務にも従事することが可能です。

1日のうち、レストランサービスやベッドメイクをする業務割合がフロント業務や規格・広報業務の業務割合を超える場合は、『特定活動(46号・本邦の大学卒業者)』を検討されるのがよいでしょう。

ポジション・業務内容フロント(翻訳通訳、予約管理、マーケティング)、企画広報、人事、レストランサービス、接客、配膳、ベッドメイク 等
人材に係る要件1.日本の4年制大学(院)を卒業している ※短大は含まない
2.高い日本語能力を有していること(下記のいずれか)
 a.日本語能力検定N1 or BJTビジネス日本語能力テスト480点以上
 b.大学又は大学院において「日本語」を専攻して大学を卒業した
  ※外国の大学における「日本語」専攻でも問題ありませんが、さらに日本の大学(院)を卒業する必要があります。
企業・事業所に係る要件
(主な要件)
・日本に所在する企業に「直接雇用」される(派遣形態は不可)

在留資格『技能』(コック)

在留資格『技能』では、外国の料理(例えば、中華料理、フランス料理など)の料理人として働くことができます。原則10年以上の料理人としての経験が必要になることから、レベルの高い料理人が取得する在留資格になります。

ポジション・業務内容中国料理、フランス料理、インド料理等の調理師や、点心、パン、デザート等の食品を製造する調理師・パティシエ
人材に係る要件10年以上の実務経験(タイの料理人は実務経験5年で可)
※この期間は見習いやアシスタントを含みません。
企業・事業所に係る要件
(主な要件)
・料理人が調理できる料理を提供している店舗
(例:中華料理人であれば中華料理を提供している。中華料理に必要な調理器具が揃った厨房がある 等)
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在留資格『技能』(ソムリエ)

同じく在留資格『技能』でソムリエとして働くこともできます。この場合は、料理人とは異なりワイン鑑定に関する実務経験やコンクール出場経験が必要になってきます。

ポジション・業務内容ぶどう酒の品質の鑑定、評価及び保持並びにぶどう酒の提供に係る技能を必要とする業務
人材に係る要件ぶどう酒の品質の鑑定、評価及び保持並びにぶどう酒の提供(=ワイン鑑定等)に係る技能についての5年以上の実務経験(外国の教育機関においてワイン鑑定等に係る科目を専攻した期間を含む。)を有する者で、次のいずれかに該当する者
 a. ワイン鑑定等に係る技能に関する国際的な規模で開催される競技会(国際ソムリエコンクール・代表例:国際ソムリエ協会主催)において優秀な成績を収めたことがある者
 b. 国際ソムリエコンクール(出場者が一国につき一名に制限差ているものに限る。)に出場したことがある者
 c. ワイン鑑定等に係る技能に関して国もしくは地方公共団体又はこれらに準ずる公私の期間が認定する資格で法務大臣が告示をもって定める者を有する者
企業・事業所に係る要件
(主な要件)
・ソムリエとして能力を十分に発揮できる職場であること

在留資格『企業内転勤』

在留資格『企業内転勤』は、海外にある企業(親会社や関係会社)に雇用されている人材が日本の支店や関係会社等で勤務するための在留資格です。転勤や出向の場合が該当します。従事可能な業務内容の範囲は「技術・人文知識・国際業務」と同範囲ですが、学歴の要件は不要です。

ポジション・業務内容フロント(翻訳フロント(翻訳通訳、予約管理、マーケティング)、企画広報、代理店への営業、人事 等
人材に係る要件海外にある関連会社等で継続して1年以上勤務していること
企業・事業所に係る要件
(主な要件)
以下の企業間の異動・転勤の場合に認められます。
本店(社)と支店(社)・営業所間の異動
親会社・子会社間の異動
親会社・孫会社間の異動
親会社・孫会社間及び子会社・孫会社間の異動
子会社間の異動
孫会社間の異動
関連会社への異動(親会社と関連会社、子会社と子会社の関連会社間のみ)

在留資格『高度専門職1号・2号』

宿泊業の場合、高度専門職1号の場合は「経営・管理」「技術・人文知識・国際業務」「技能」の在留資格の要件を満たし、かつポイント制で70点以上の高度人材が取得可能です。高度専門職の場合は、優遇措置を受けることができます。

ただし、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当してくる人材の場合、主な業務が「翻訳通訳」の場合は高度専門職を取得することはできません。

在留資格『特定技能』(宿泊分野)

特定技能の宿泊分野では、「フロント、企画・広報、接客及びレストランサービス等の宿泊サービスの提供」に係る業務に従事可能です。業務内容的には、技術・人文知識・国際業務と異なりこれらの業務全般に従事することになります。
※2022年3月現在、宿泊分野は「特定技能1号」のみです。将来的に長期滞在や家族帯同が可能な「特定技能2号」ができると言われている分野です。

ポジション・業務内容宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客及びレストランサービス等の宿泊サービスの提供に係る業務
人材に係る要件日本語試験(N4 or 国際交流基金日本語基礎テスト)及び宿泊業技能測定試験の合格者であること
企業・事業所に係る要件
(主な要件)
旅館・ホテル営業の形態かつ以下の条件を満たすこと
・ 旅館業法に規定する「旅館・ホテル営業」の許可を受けていること
・ 風俗営業法に規定する「施設」(ラブホテル等)に該当しないこと
・ 特定技能外国人に対して風俗営業法に規定する「接待」を行わせな
いこと

在留資格『特定技能』(ビルクリーニング分野)

特定技能のビルクリーニング分野では、特定技能人材に住宅を除く建物内部の清掃や客室のベッドメイク作業をさせることができます。宿泊業であっても、建築物清掃業又は建築物環境衛生総合管理業の登録を受けた事業所であれば、ベッドメイク専門要員として雇用できる場合があります。

ポジション・業務内容多数の利用者が利用する建築物(住宅を除く)の内部の清掃(日常清掃、定期清掃、中間清掃、臨時清掃)
人材に係る要件日本語試験(N4 or 国際交流基金日本語基礎テスト)及びビルクリーニング分野技能測定試験の合格者であること
企業・事業所に係る要件
(主な要件)
建築物清掃業又は建築物環境衛生総合管理業の登録を受けた営業所において受け入れること

在留資格『特定技能』(外食分野)

ホテル・旅館内のレストランサービス部門が独立している場合、特定技能の外食分野での雇用を検討できる場合があります。この場合は、フロント業務などの兼任はできず、レストラン内のみで就業するスタッフになります。

ポジション・業務内容外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)
人材に係る要件日本語試験(N4 or 国際交流基金日本語基礎テスト)及び外食分野技能測定試験の合格者であること
企業・事業所に係る要件
(主な要件)
下記のいずれかの飲食サービスを提供している事業所であり、保健所長の営業許可を受けているか、営業許可が必要ない場合は届出を行っている。
・客の注文に応じ調理した飲食料品、その他の飲食料品をその場で飲食させる飲食サービス業
・飲食することを目的とした設備を事業所内を有さず、客の注文に応じ調理した飲食料品を提供する持ち帰り飲食サービス業
・客の注文に応じ、事業所内で調理した飲食料品を客の求める場所に届ける配達飲食サービス業
・客の求める場所において調理した飲食料品の提供を行う飲食サービス業

在留資格『特定活動(外国人料理人・外国人製菓衛生師)』

調理・製菓の専門学校生は、引き続き日本で就業しながら実習を行う場合に、在留資格『特定活動(外国人料理人・外国人製菓衛生師)』を取得することができます。これは、在留資格「技能(コック)」とは異なり、実務経験や外国の料理の調理人に限定されるわけではありません。最大5年間、日本の調理・製菓を行う事業所で実習(就業)を行うことができます。

ポジション・業務内容実習画に則って「下ごしらえから料理の完成」に一貫して従事・修得する
人材に係る要件・日本の調理もしくは製菓の専門学校を卒業していること
ー調理師免許又は製菓衛生師免許の申請資格を有している者については、本事業に従事する時点において当該免許を取得していること。
ー製菓衛生師養成施設を卒業した者及び製菓分野における大学等を修了した者については、卒業した後三年以内に製菓衛生師の免許を取得する意思があり、申請書にその旨を宣誓していること。
企業・事業所に係る要件
(主な要件)
日本産業分類に定める下記に該当する事業所
・76 飲食店
・5861 菓子小売業(製造小売)
・5863 パン小売業(製造小売)
・7511 旅館・ホテル
・7592 リゾートクラブ

在留資格『特定活動(外国人美容師)』

外国人美容師は、育成期間内に美容師育成施設で習得した技術や知識を活用し、育成機関の指揮監督のもと、育成計画に基づき行われる美容に関する業務を行うことができます。育成計画のもと美容師の技術習得を目的とした在留資格にはなりますが、ヘアカットやセットだけでなく、着物着付けやメイク、洋装ブライダルなどにも従事可能で、結婚式場を兼ねているようなホテル・旅館等でも就労できる場合があります。

ポジション・業務内容育成計画に則って、美容師の技術全般を修得するもの
人材に係る要件・日本語能力検定N2以上
・美容師免許の取得者(見込みを含む)
・日本の美容師育成施設での知識・技能の習得をした人
企業・事業所に係る要件
(主な要件)
・戦略特区内にある事業所であること
・美容師法第12条の3に帰営する管理美容師を配置している
※監理実施機関のサポートを受ける

アルバイト・パート雇用向けの在留資格(就労系以外の在留資格)

ワーキングホリデー、資格外活動(週28時間までのアルバイト・パート)は、“就労ビザ”のように細かい活動制限はないため、(風営法に規制されない就業先であれば)どのような業務内容でも可能です。また、インターンシップについては予め、活動計画を提出しそれも含めて在留資格の許可を得ることになります。活動計画に沿った活動を行うことになります。

結局のところ、どうやって雇用する? ~就業開始までの流れ~

ここまでで、在留資格毎の要件や特徴について確認しました。募集したいポジションの在留資格が確定したら、次に行うことはその在留資格に当てはまる人材がどのような人材であるかを確認することになります。この確認がしっかりと行われていれば、在留資格の申請も難しいものではありません。

まずは、雇用したいポジションを特定し「在留資格」を確定する

“就労ビザ”と一言で言っても、一つの企業内で複数の就労ビザを選択できる可能性があります。宿泊業の場合には、約11種類の中から選択をすることになります。外国籍人材の雇用を検討する際には、まずはどのポジションの人材を雇用したいのかを明確にし、そのポジションにあった在留資格を選びます。場合によっては、就労をさせたいポジションでは当てはまる在留資格が無い場合もあります。人材を採用してから、後から要件を満たさないことが分かるのは時間のロスになってしまいます。まずは、どの在留資格が当てはまるのか、またその在留資格を持つ人材を雇用できる「場所」であるか、企業・事業所自体が要件を満たしているかを確認します。

「在留資格」毎にある要件を満たす人材を採用する

次に、その在留資格の人材に係る要件を確認します。それを満たすように求人票を作成、もしくは人材を斡旋してくれるようなサービスを利用する場合は、必要な要件を伝えます。内定を出す前には、改めて在留資格の要件を満たしているか確認しましょう。

「人材ありき」で後から「在留資格を当てはめ」では上手くいかない理由】
例えば、「大卒者」だから「技術・人文知識・国際業務」で雇用をし、学歴・職歴が不足しているから「特定技能1号」を選択する、という組織の作り方は好ましくありません。もちろんこの場合でも、明確に業務内容や役職・ポジション等に矛盾が無ければ問題は無いかもしれません。
しかし、そもそも人材を雇用する場合、「そのポジション(業務内容)」に空きがあるから採用するのだと思います。人材雇用の起点が「業務内容」である限り、人材の決定前に、在留資格の検討が先にあるべきです。
一度、組織内に矛盾が生じると、外国籍人材を組み込んだ組織作りは困難になります。場合によっては不許可が出て、いつまでも就業開始できない、といった事態もあり得ます。

在留資格の申請をする

在留資格の手続きは、留学生からの変更や海外からの呼び寄せ『高度専門職1号』の場合は「在留資格変更許可申請」もしくは「在留資格認定証明書交付申請」を行います。必要な書類、申請場所等について説明します。

手続きの種類について

外国籍人材が日本にいる場合と海外にいる場合で考え方は異なりますが、基本的なルールとして「就業を開始する前」までに在留資格の「取得」が完了していなければなりません。申請から許可まで数か月に審査期間が及ぶ場合もありますが、「許可」を得て新しい在留カードを得るまでは活動はできません。

誰が行う申請なのか

外国人を招聘する場合は、申請人(外国人)本人か雇用をしようとしている機関の職員が申請人の居住予定地、受入機関の所在地を管轄する入管に申請に行きます。国内にいる人材の場合は、 申請人(外国人)本人 が 申請人の居住予定地、受入機関の所在地を管轄する入管に申請に行きます。

なお、届け出を行っている「取次者」についても、申請を代わって行うことができます。
「取次者」の例として、国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員、行政書士、弁護士がなることができますが、一定の研修を受けて登録された人のみになります。

【取次の人が申請する場合~ルールが変わりました~】

今までは、原則「申請人の居住地を管轄する住所を管轄する入管」でしか申請は認められていませんでした。
しかし、ルールが変更となり申請人(外国人)が受け入れられている又は受け入れられようとしている機関の所在地を管轄又は分担する出入国在留管理官署においても認められるようになりました。

例えば、福岡に住む留学生が東京の会社に内定をもらった場合、以前は、福岡入管(もしくは管轄する出張所)のみでしか申請できませんでしたが、今後は内定先のある東京出入国在留管理局での申請も認められます。

※このルールは取次者証明書が交付された人(公益法人の職員や弁護士や行政書士等)についても認められます。

どこで申請するのか

基本的に申請は申請人の居所を管轄する入管、もしくは受入れ予定の企業の所在地を管轄する入管で行います。

申請先については下記の通り 決まりがあります。

【原則】申請先の決まり
【在留資格認定証明書交付申請】※外国人が海外にいる場合
居住予定地もしくは受入れ機関の所在地を管轄する地方出入国在留管理官署
【在留資格変更許可申請 or 在留期間更新許可申請】
住居地を管轄する地方出入国在留管理官署
地方出入国在留管理官署管轄する区域
札幌出入国在留管理局北海道
仙台出入国在留管理局宮城県、福島県、山形県、岩手県、秋田県、青森県
東京出入国在留管理局東京都、神奈川県(横浜支局が管轄)、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、
群馬県、山梨県、長野県、新潟県
名古屋出入国在留管理局愛知県、三重県、静岡県、岐阜県、福井県、富山県、石川県
大阪出入国在留管理局大阪府、京都府、兵庫県(神戸支局が管轄)、奈良県、滋賀県、和歌山県
広島出入国在留管理局広島県、山口県、岡山県、鳥取県、島根県
福岡出入国在留管理局福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県、鹿児島県、宮崎県、
沖縄県(那覇支局が管轄)

分局が近くにない場合には、最寄りの支局や出張所での申請も可能です。ただし、支局や出張所次第では在留資格の申請を受け付けていない場合もあるため確認が必要です。

▶出入国在留管理庁:管轄について

入社後の手続きについて

入社後に必要な手続きは以下の3点です。

  1. 【企業】雇入れた翌月10日まで『雇用保険被保険者資格取得届』を提出
        ※雇用保険の被保険者でない場合:雇入れた日の属する月の翌月末日までに『外国人雇用状況届出書』を提出
  2. 【外国人】転職の場合は入社後14日以内に『所属機関に関する届け出』を提出
  3. 【企業/外国人】在留期限の3か月前から在留期限までの間に、『在留期間更新許可申請』を提出

上記のような在留管理以外は、原則日本人と同じになります。例えば、労働保険(労災保険・雇用保険)、社会保険(健康保険・厚生年金)に加入し、所得税や住民税も課税されます。

※外国籍の方のパート、アルバイト、正規・非正規雇用に関わらず、労働基準法等の法律は国籍問わず遵守する必要があります。雇用形態や労働時間によっても必要な手続きは変わってきます。(社会保険に関するお問い合わせはお答えしかねる場合がございます。)

まとめ

以上、宿泊業を例に見た“就労ビザ”の選び方の解説致しました。
とても大事なことは、人材ありきで後から在留資格を当てはめたのでは、在留資格の申請で許可を得られない場合が多くなるということです。実際に、このトラブルは多く起こっているのが現実です。人材の採用前に、在留資格の特徴を捉え、また要件を確認できていれば在留資格の申請に困ることは減ります。「業務内容から在留資格を特定し、自社・事業所が要件を満たしているか確認し、在留資格に合う人材を雇用する」というステップを意識するだけでも外国籍人材の採用は上手くいくと思います。

【行政書士からのアドバイス】
在留資格の許可・不許可は、人材の内定を出した時点でほとんど決まっています。スムーズな雇用のためには、事前の確認が肝となってきます。当事務所では外国人雇用の採用時点からのアドバイスを行っております。興味のある方はお気軽にお問合せ下さい。

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