『特定活動(46号)』ってどんなビザ?『技術・人文知識・国際業務』との違いは何?

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『特定活動(46号)』は2019年5月に新設された比較的新しい在留資格です。これは、日本の大学を卒業した高い日本語能力を持つ人が、習得した知識や応用的能力のほか、留学生として経験を通じて得た高い日本語能力を活用することを要件として、幅広い業務に従事する活動を認める在留資格です。『技術・人文知識・国際業務』よりも幅広い業務に従事する活動を認められます。本編では『特定活動(46号)』について解説をしていきたく思います。

在留資格とは

「在留資格」とは、外国人が合法的に日本に上陸・滞在し、活動することのできる範囲を示したものです。2021年6月現在29種類の在留資格があります。在留資格は「ビザ」という名称で呼ばれることが多いです。
在留資格は、活動内容や身分(配偶者・子など)によって割り当てられています。日本に滞在するすべての外国人が、何かしらの在留資格を持っているということになります。よって、外国人は活動内容や身分(ライフスタイル)に合わせて、在留資格を変更しながら日本に滞在することになります。

在留資格の切替のイメージ

例えば、上記の方の場合、日本語学校の学生の間は「留学」ビザで活動します。その後、料理しになった場合は「技能」というビザに切り替えなければなりません。また、独立開業してレストランの経営者になった場合は「経営・管理」ビザを取得します。もし、将来、日本への永住を決意し一定の要件を満たしているようであれば、「永住者」ビザを取得することもできます。

在留資格の一覧は下記になりますが、言い換えると以下に当てはまるものがない場合は、日本での滞在はできないということになります。

在留資格の一覧

在留資格は、大きく3つのポイントから構成されています。

就労ビザの3つのポイント
①誰が
②どこで
③どのような業務内容を行うのか

では、『特定活動(46号)』がどのような在留資格であるかをこの3つのポイントから説明していきます。

在留資格『特定活動(46号)』とは

『特定記活動(46号)』は、ガイドラインの中で下記のように定められています。

本制度は、本邦大学卒業者が本邦の公私の機関において、本邦の大学等において修得した広い知識、応用的能力等のほか、留学生としての経験を通じて得た高い日本語能力を活用することを要件として、幅広い業務に従事する活動を認めるものです。「技術・人文知識・国際業務」の在留資格においては、一般的なサービス業務や製造業務等が主たる活動となるものは認められませんが、本制度においては、上記諸要件が満たされれば、これらの活動も可能です。ただし、法律上資格を有する方が行うこととされている業務(業務独占資格が必要なもの)及び風俗関係業務に従事することは認められません。

留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学卒業者)についてのガイドライン (http://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/nyuukokukanri07_00038.html

『技術・人文知識・国際業務』の在留資格よりも幅広い業務(例えば、現場作業やサービス業務)に従事することができることが最大の特徴です。

在留期間は、「3か月」「6ヶ月」「1年」「3年」「5年」が与えられ、更新をし続ければ「永住者」ビザの申請も将来的には可能です。
原則として、「留学」の在留資格からの変更許可時や初回の在留期間更新許可時に決定される在留期間は「1年」となります。

また、家族の帯同も認められます。

「誰が」:どのような人が申請できるのか

『技術・人文知識・国際業務』とは異なり、条件がかなり厳しいのが『特定活動(46号)』の特徴です。

『特定活動(46号)』の申請人に係る要件

以下のいずれも満たしている必要があります。

  1. 日本の4年制大学(院)を卒業している ※短大は含まない
  2. 高い日本語能力を有していること(下記のいずれか)
    1. 日本語能力検定N1 or BJTビジネス日本語能力テスト480点以上
    2. 大学又は大学院において「日本語」を専攻して大学を卒業した

日本語能力検定1級の取得はかなり難しくハードルが高いと言えます。しかし、日本の大学に通われている方であれば、十分目指せると思うので在学中に取得されることをお勧めいたします。

「どこで」:どのような場所で働くのか

『特定活動(46号)』の場合、『技術・人文知識・国際業務』と異なりかなり注意が必要です。
まず、「本邦の公私の機関との契約に基づいて勤務する」という部分は共通していますが、『特定活動(46号)』の場合は、勤務先を指定されることになります。つまり、在留資格を取得した際に在留カードの交付に加えて、パスポートに「指定書」が貼付され「勤務先」まで明記されることになります。
このため、転職をして勤務する会社が変更となる場合には「在留資格変更許可申請」を行う必要があります。

勤務先が指定されることから、派遣社員としての勤務はできません。また雇用形態もフルタイムの職員に限定されます。

「何をするのか」:どのような業務ができるのか

特定活動(46号)で求められる業務のポイントは以下の2つです。

  • 「日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務」に従事すること
  • 本邦の大学又は大学院において習得した広い知識及び応用的能力等を活用するものと認められること

『特定活動(46号)』は『技術・人文知識・国際業務』で従事することができない単純労働をすることも可能ですが、それのみに従事することはできません。あくまで、『技術・人文知識・国際業務』の在留資格の対象となる学術上の素養等を背景とする一定水準以上の業務が含まれていること、又は今後当該業務に従事することが見込まれれている必要があります。

例えば以下のような業務に従事することができます。(※一例)

ビルメンテ・ベッドメイキング
⇒技術・人文知識・国際業務の場合:本社勤務が基本。原則として現業は不可
⇒特定活動46号の場合:現場のアルバイトスタッフに指導教育・管理をしつつも、自身も清掃業務を行うことが可

○飲食店
⇒技術・人文知識・国際業務の場合:基本的には複数店舗の管理者、ホールスタッフ等の現業は研修時の一時的なもの
⇒特定活動46号の場合:現場のスタッフの指導教育やシフト管理をしながら(フロアマネージャー的ポジション)、現業に従事することが可能

○フライス盤の操作・設計業務
⇒技術・人文知識・国際業務の場合:設計業務がメイン。フライス盤の操作は1日のうち一時的
⇒特定活動46号の場合:設計業務を行いながら、フライス盤の操作をし加工作業を行うことも可能。

○ホテルや宿泊業での通訳・ベルスタッフ・清掃業務
⇒技術・人文知識・国際業務の場合:日本人も同様に行っていることを前提に、ベルスタッフや清掃業務は付随業務で限定的な範囲内であれば可
⇒特定活動46号の場合:翻訳通訳に加えて、ベルスタッフやドアマン、客室の掃除なども業務も可能

○タクシー会社においての観光案内を行うタクシードライバー
⇒技術・人文知識・国際業務の場合:バックオフィス部門における企画業務であれば可
⇒特定活動46号の場合:観光プランの企画立案を行いつつ、ドライバーとして観光案内も可能

○食品工場における技能実習生等への指導
⇒技術・人文知識・国際業務の場合:翻訳通訳で伝達するのみでラインでの作業は不可
⇒特定活動46号の場合:日本人従業員からの指示を外国籍スタッフに通訳しつつ、自身も製造ラインに入って作業を行うことも可能

在留資格『技術・人文知識・国際業務』との比較

『特定活動(46号)』が『技術・人文知識・国際業務』の在留資格と比較して、共通している部分とそうでない部分があることが分かったと思います。ここで就労ビザの3つのポイントである「誰が」「どこで」「何をするのか」を比較したいと思います。

誰が:どのような人が申請できるのか
  • 特定活動(46号):日本の大学(院)を卒業し、日本語検定1級を持っているor日本語学科を専攻していた
  • 技術・人文知識・国際業務:大学(短大・院)を卒業、もしくは日本の専門学校を卒業している、もしくは10年の実務経験がある
どこで:どのような場所で働くのか
  • 特定活動(46号):公私の機関と契約を行う。ただし、派遣社員は不可。常勤職員として勤務(副業のような形態は認められない)
  • 技術・人文知識・国際業務:公私の機関と契約を行う。派遣社員でも可。きちんと届け出を行い条件を満たしていれば副業も可能
何をするのか:どのような業務ができるのか
  • 特定活動(46号):日本語を使用+学術的素養を背景とする業務に加えて単純労働なども可能。
  • 技術・人文知識・国際業務:学術的素養を背景とする業務が基本。単純労働は認められても限定的

他の在留資格との比較は以下になります。

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まとめ

以上、在留資格『特定活動(46号)』についてまとめました。『特定活動(46号)』は要件は厳しい一方で、取得できると非常に汎用性のある在留資格であることが分かります。日本の「総合職」のような柔軟性の求められるような雇用の仕方において、在留資格による活動の制限をあまり受けることなく雇用することが可能です。企業にとっても積極的に雇用をしたい人材になるはずです。

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