外国人ITエンジニア採用成功させるために必要なポイントと手続きは何?

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ITツールの普及・技術の日々の進歩に伴い、日本は著しいITエンジニア人材不足に陥っています。加えて、日本の労働人口はこれからますます減っていくことは明確であり、黙って待っていてもこの状況が改善することはありません。一方で、求職のマーケットを海外に目を向けるだけで、ITエンジニアの求職母集団は大幅に増えます。母数が多いということはその分優秀な人材も多いということを意味しています。
本編では、外国人ITエンジニアを雇うためのポイントと在留資格を含む必要な手続きについて解説をしたいと思います。

外国人を採用するための流れ

外国籍のITエンジニアを雇用する場合、おそらく求人に対して応募があった場合と人材紹介会社からの紹介の2パターンかと思います。
人材紹介会社からの紹介の場合は、在留資格(ビザ)についても気を配ってくれているためお任せすれば基本的には問題ありませんが、外国籍が求人票に応募した場合は、自社で在留資格の要件を満たしているか確認する必要があります。

また、人材紹介会社からの紹介であったとしても、言われるがままに採用するのではなく、独自の視点できちんと選考をする必要があります。

外国籍の採用に当たっては、内定を出す前に人的なマッチングの確認に加えて、法的なマッチングの確認を行うことが重要です。

外国籍の方の雇用の管理は、基本的には『日本人の雇用』+『在留資格』です。つまり、日本人の方が適法に働けているような職場であれば、あとは正しく在留資格を取得できれば特に恐れるような問題はありません。

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では、外国籍のITエンジニアを採用するためのポイントと流れを確認してみましょう。

面接で確認すべきポイント

外国籍の採用の場合、確認すべき点は日本人よりも多くなります。
日本人の採用の場合、選考時に確認するポイントは大きく分けて「能力」「スキル」「経験」「社風適合性」「勤務条件」です。プラスして独自の選考基準が各社にあるかと思います。外国籍の場合、加えて特に気を付けるべきは「在留資格」「国籍」「日本語能力」です。

ITスキル

外国籍のITエンジニアの場合、非常に高いスキルを持つ方が多い一方で、自分に与えられた範囲内の業務しか行わない場合があります。ITエンジニアに限らず、仕事には「前工程」「後工程」がありますが、自分の工程のみを行い、また範囲外の業務を依頼すると断られることもあります。これはその人が怠惰で向上心がないという意味ではなく、そういう国民性・働き方がその方の国では一般的(常識)の場合があるからです。
「この業務を行うからこの報酬」という考え方は多かれ少なかれ日本人にもあるはずです。この程度の差は日本で働く限りは日本人に合わせるべきかもしれませんが、受け入れる側もあくまで個人差と受け止める必要はあります。外国籍ITエンジニアは悪気があって仕事を断っているわけではないため、しっかりと仕事に関してのスタンスは面接時に確認しておきましょう。

企業の規模や受託している開発の内容によっては、「前工程」「後工程」に踏み込んで仕事をしなければならないシーンが多い場合には、予め面接時に認識のすり合わせを行う必要があります。

国籍

例えば「ベトナムでオフショア開発をしている」「インドに子会社がある」といったことは、IT業界では珍しくありません。優秀なITエンジニアには英語が堪能な方は多いです。日本語よりも英語がよく話せるほうが普通です。
では、英語が話せれば国籍はこだわる必要がないのかと言われると、答えは「No」です。例えば、ベトナムでオフショア開発をしている場合、やはりブリッジ役はベトナム人が適任であることもあります。状況を見極めたうえで、最も活躍できる国籍を選ぶことが必要です。

日本語能力

日本語能力の認識の違いによる、コミュニケーション不足は離職理由の大きな理由のひとつにもなっています。

日本語能力はしっかりと必要なレベルを把握する必要があります。日本語と言っても「読み」「書く」「話す」の全ての要素でどの程度必要なのかを予め実際に働く日本人の方含めてすり合わせをしておく必要があります。
SESの場合はクライアントのコミュニケーションが必要です。クライアントの意図していることを汲み上げてシステムに落とし込むということは、高い日本語能力が求められます。もちろんチームで派遣されている場合は語学面では日本人のサポートを受けられますが、1人の場合はそういうわけにもいきません。
ただし、あまりに高い日本語能力を求めると門戸を狭くしてしまいます。優先すべきなのが「ITスキル」なのか「日本語能力」なのか明確に基準を求めておきましょう。
必ず、チームメンバーや働くシーンを想定しながら日本語レベルを確認するようにしましょう。また、能力や人柄は申し分ないけれども、日本語能力だけが気になる場合、入社後のフォロー体制を事前に構築することで課題をクリアにすることもできます。

参考資料:日本語能力検定の級と読み書きレベルについて

社風適合性

外国籍の方はやはりそれぞれに国民性があります。これ採用において無視できない要素です。
しかし、だからと言ってこれらを丸っきり無視するわけにはいきません。外国人と日本人の考え方で差異が出がちな部分として「日本や自社に対する印象・イメージ」、「キャリアビジョン」が挙げられます。
価値観の違いを放置するのは、お互いのためにもよくありません。「お国柄だから」と蔑ろにするのではなく、採用後に予定したチームへ配属したときに、馴染めるイメージを持てる人材を採用することが必要です。

在留資格

「在留資格」とは、外国人が合法的に日本に上陸・滞在し、活動することのできる範囲を示したものです。2021年2月現在29種類の在留資格があります。在留資格は「ビザ」という名称で呼ばれることが多いです。そのなかでも、ITエンジニアの方で就労可能な在留資格は以下になります。

ITエンジニアが就労可能な在留資格
  • 技術・人文知識・国際業務
  • 高度専門職
  • 身分系ビザ(永住者、永住者の配偶者等、日本人の配偶者等、定住者)

※特定活動(46号)でも実質的に就労可能だが、特殊な事情がない限りはメリットがないためここでは挙げない。

まず、身分系の在留資格(永住者、永住者の配偶者、日本人の配偶者、定住者)を持っている場合、活動内容に制限がないためどのようなITエンジニアとして働くことは可能です。
就労ビザの場合でITエンジニア該当する在留資格で最も多い在留資格は『技術・人文知識・国際業務』になります。『技術・人文知識・国際業務』の在留資格の場合、大学(短大・院)か日本の専門学校を卒業している人材である必要があります。

『技術・人文知識・国際業務』の要件

下記の【いずれか】を満たす必要があります。

  • 学歴要件
    大学(短大含む。国内外問わず)、又は同等以上の教育を受けている、又は所定の要件を満たす専修学校(日本国内)の専門課程を修了している
    ※大学・専修学校において専攻した科目と日本において従事しようとする業務が関連していることが必要です。なお、大学における専攻科目との関連については緩やかに判断されます。
  • 職歴要件
    10年以上の実務経験(大学等で関連科目を専攻した期間を含む)
  • 日本の情報処理技術者試験及び相互認証を受けた試験
    ※詳細は下記のリンクへ
    ・『技術・人文知識・国際業務係る基準の特例を定める件』http://www.moj.go.jp/isa/laws/nyukan_hourei_h09.html
    ・『情報処理技術者試験の海外との相互認証について』https://www.ipa.go.jp/jinzai/asia/kaigai/001.html

『高度専門職1号(ロ)』は、海外の特に優秀な人材に日本で働いてもらうために設けられた優遇措置のある在留資格です。高度人材に当てはまるかどうかはポイント制により判断されます。
※ポイント制については☞こちら

外国人IT人材の在留資格についてはガイドラインが発表されています☞こちら

『高度専門職』と『技術・人文知識・国際業務』の在留資格についての比較は以下になります。

ITエンジニアの在留資格申請の許可事例/不許可事例

出所:外国人IT人材の在留資格についてはガイドライン

許可事例

外国の大学の経済学部において経営学を専攻して卒業し、日本のIT関連企業との契約に基づき月額25万円の報酬を受けて、システムエンジニアとして売上管理システムの開発業務に従事する者

日本の大学の工学部において情報処理工学を専攻して卒業し、日本のソフトウェア会社との契約に基づき月額30万円の報酬を受けて、プログラマーとしてソフトウェア開発業務に従事する者

外国の高校を卒業後、IT告示で定められている海外のITに関する試験の一つに合格し、日本のIT関連企業との契約に基づき月額20万年の報酬を受けて、システムエンジニアとしてシステムの保守・改善等の業務に従事する者

不許可事例

大学の工学部を卒業後、コンピューター関連サービス企業で月額13万5千円の報酬を受けて、エンジニア業務に従事するとして申請。しかし、申請人と同時に採用、同種の業務に従事する新卒の日本人の報酬が月額18万円であることが判明した。

⇒不許可のポイント:日本人と同等以上の報酬でなければならないことは「労働基準法」で定められています。

内定後の手続き

外国籍の場合、内定後すぐに就職できるわけではないため注意が必要です。すでに就労可能な在留資格をもっていない場合は、在留資格の取得もしくは変更申請が必要です。この在留資格の手続きには、審査期間があることから数か月かかることがあります。
手続きは「内定後~入社前」と「入社後」に大きく分かれます。

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在留資格取得のための手続き

ITエンジニアの場合で、在留資格の手続きが必要になる場合は主に3パターンです。

  1. 内定者が海外にいる場合
  2. 新卒採用の場合
  3. 内定者が在留資格『高度専門職1号』を持っている場合

①の場合は、「在留資格認定書交付申請」を行います。就職先の会社の人が代理人となって申請をします。認定証明書が発行されたら母国にいる本人に郵送し、本人が査証に変えて入国することになります。

②の場合は、「留学」ビザから切り替えを行うために「在留資格変更許可申請」ます。注意点としては、申請結果の許可が下りて在留カードの切替が完了してからでないと就労できないことです。審査期間も半年に及ぶ場合があります。間違っても見切りで入社することが無いようにしてください。
また、新卒採用の場合、例えば入社前年の6月に内定出しをすることもありますが、この場合は、学生を卒業するまでは「留学」ビザでなければなりません。そのため、例年12月から新卒の方の変更申請の受付が始まるため、それまで申請はできません。

また、在留資格『高度専門職1号』を持っている場合、当該在留資格が契約を交わす就職先を指定して取得するものであるため、就職先が変更になる場合は在留期限が残っていても「在留資格変更許可申請」を行わなければなりません。ケースとして考えにくいですが、『特定活動(46号)』の場合も同じです。一方で③の『技術・人文知識・国際業務』を持っている場合は、在留資格変更許可申請を提出する必要はありません。

入社後の手続き

入社後に必要な手続きは以下の3点です。

  1. 【企業】雇入れた翌月10日まで『雇用保険被保険者資格取得届』を提出
        ※雇用保険の被保険者でない場合:雇入れた日の属する月の翌月末日までに『外国人雇用状況届出書』を提出
  2. 【外国人】転職の場合は入社後14日以内に『所属機関に関する届け出』を提出
  3. 【企業/外国人】在留期限の3か月前から在留期限までの間に、『在留期間更新許可申請』を提出

上記のような在留管理以外は、原則日本人と同じになります。例えば、労働保険(労災保険・雇用保険)、社会保険(健康保険・厚生年金)に加入し、所得税や住民税も課税されます。

まとめ

外国人ITエンジニア採用成功させるために必要なポイントと手続きについて解説しました。
日本でのITエンジニア不足が顕著となっている現在において、高いスキルをもつITエンジニアの採用を検討する企業は今や少なくありません。また、比較的在留資格の許可も得られやすい分野で手続き自体はむずかしくありません。
条件の合う外国人エンジニアがいたら、外国籍だからと恐れずに迷わず採用されることをお勧めいたします。

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