【就労ビザ】在留期間の更新手続きについて~理由書は必要?不許可になることはある!?~

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在留期間は満了日までに「在留期間更新許可申請」を行う必要があります。その際に、初めて入国した際や留学や他の在留資格で行った手続きの違いや不許可の可能性について気になるところだと思います。本編では、主に在留資格『技術・人文知識・国際業務』を例に、理由書が更新の際にも必要か、また注意点などを解説したいと思います。

在留期間の更新をする手続き「在留期間更新許可申請」

活動内容に変更がない場合で、在留期間を更新する場合には「在留期間更新許可申請」を行います。

「在留期間更新許可申請」はどのような時に行うのか?

引き続き、今までと同じ理由で在留を行う場合に在留資格を延長する際に行う申請を「在留期間更新許可申請」と言います。一部、在留期間の更新が認められない在留資格もありますが、一般的な就労ビザ、身分系のビザであれば在留期間の更新ができます。

(※特定技能の場合は、上限5年という決まりがありこの上限に達した場合は更新は出来なくなります。)

また、「留学」などの”卒業”がある場合、「技能」でコックとして在留したけれどもコックを辞めて通訳を行う場合などの活動目的が変わる場合等、「今までの在留目的」と「これからの在留目的」が変更となる場合には、引き続き日本に在留をすることが決まっている場合には「延長(=在留期間更新許可申請)」はできません。新しい活動目的に合わせて「在留資格変更許可申請」を行うことになります。

つまり「在留期間更新許可申請」は、日本に在留する外国人が付与された在留期限を超えて、今持っている在留資格に属する活動を引き続き行おうとする場合に申請をします。

在留期間更新許可申請を行うケース①

転職をせずに勤務を続ける場合や引き続き同じ職種で勤務を続ける場合

在留期間更新許可申請を行うケース②

転職をするも既に持っている在留資格の範囲内の活動を転職後も行う場合(申請人が転職前後の両方の要件を満たしている場合に限る)

▶出入国在留管理庁『在留期間更新許可申請

誰がどこで行う申請なのか?

基本的には、申請人(外国人)本人が申請人の住居地を管轄する入管に申請に行きます。
申請人が16歳未満の子どもの場合は、法定代理人(父母等)が代理人として申請することができます。

一方、届け出を行っている「取次者」であれば、申請を代わって行うことができます。
「取次者」の例として、雇用されている・所属している機関の職員、行政書士、弁護士がなることができますが、一定の研修を受けて登録された人のみになります。

「取次者」が取り次ぐ場合であれば、申請人の住居地の他に、新しい所属先の所在地を管轄する入管で申請をすることができます。

▶出入国在留管理庁:管轄について

いつまでに行うものなのか?

在留カード記載の「在留期限」の日の3ヶ月前から申請することが可能で、在留期限の満了日までに申請を行います。

例えば、2021年9月1日在留期限の方の場合、2021年9月1日までに申請を行わなければなりません。

また、2021年6月15日に申請を行い2021年7月15日に「1年」延長の許可が出て新しい在留カードの交付を受けた場合、在留期限は「2022年9月1日」になります(2022年7月15にではありません)。つまり、早めに申請をして在留期限到来前に許可が出た場合でも、在留期限が短くなって損をするということはありません。余裕を持った対応が可能ですし、損をすることは無いため余裕を持った申請をお勧めします。

なお、申請中に在留期限が到来した場合、自動的に「特例期間」に入ります。特例期間中は今まで通りの在留が可能です。この期間内に審査の結果は出ます。

在留期限の満了日(末日)が休日の場合

在留期限が末日の場合の対応について、審査要領「第10編 在留審査」において下記のように定められています。

在留資格変更許可申請及び在留期間更新許可申請について
在留期間の満了日が休日に当たる場合で、当該申請が直近の開庁日に提出されたときは、通常の申請受付期間内の申請として受け付けるものとする

審査要領「第10編 在留審査」

休日法において、行政機関の休日は下記のとおり定められています。ここに定められた休日の翌日であれば在留期間内として受理されるということになります。

一条(行政機関の休日)
1 次の各号に掲げる日は、行政機関の休日とし、行政機関の執務は、原則として行わない者とする。
一 日曜日及び土曜日
二 国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日
三 12月29日から翌年の1月3日までの日(前号に掲げる日を除く)
(2~3省略)

「在留期間更新許可申請」で審査されるポイントは?

よく「在留期間更新許可申請は簡単ですか?必ず許可されますか?」という質問をいただきます。「在留期間更新許可申請」で審査されるポイントについて解説します。

「在留期間更新許可申請」の審査ポイント

入管の審査は「専ら法務大臣の自由な裁量に委ねられ、申請者の行おうとする活動、在留の状況、在留の必要性等を総合的に勘案」して行われますが、 出入国在留管理庁が発表している『在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン』では、審査において下記のポイントを総合的に勘案して行うこととされています。

行おうとする活動が申請に係る入管法別表に掲げる在留資格に該当すること
2 法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること
現に有する在留資格に応じた活動を行っていたこと
4 素行が不良でないこと
5 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
6 雇用・労働条件が適正であること
納税義務を履行していること
8 入管法に定める届出等の義務を履行していること

在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン

基本的に、前回の申請(許可)から状況が変わらず真面目に同じ活動をしている場合は「7 納税義務を履行していること」が問題なくできていれば、更新時に不許可になるリスクは少ないです。

前回の申請(許可)から大きな変更がない場合、1と3の「行おうとする活動」や「現に有する在留資格に応じた活動」については問題が無いはずです。このような場合、納税や素行といったポイントを重点的に審査されることになります。

▶出入国在留管理庁『在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン

こんな場合は不許可のリスクが高い

前回の申請(許可)から状況が大きく変わっていない場合は特に問題がない、ということは、逆を言うと前回の申請(許可)から状況が大きく変わっている場合は、慎重な対応が求められるということになります。

不許可のリスクがある事例①:在留状況がよくなかった場合

就労ビザで活動をしている人の場合で、「在留状況」がよくない場合に考えられる代表的な例は「在留資格で認められていない活動を行っている」「無職の期間があった」が挙げられます。これらは「 3.現に有する在留資格に応じた活動を行っていたことに該当します。

例えば、「在留資格『技術・人文知識・国際業務』を所持する人材が、入社から3ヶ月間はレストランで接客を行い、その後は本部スタッフになる」という申請をして許可をもらっていたのに、結局1年後もレストランで接客を行っている場合は、入管が問題ないと判断できる理由がない場合は、「在留資格で認められていない活動を行っていた」と判断され不許可になります(これは不法就労に該当します)。

在留資格『技術・人文知識・国際業務』で認められない業務の代表例として、店舗での接客、工場のライン作業、掃除・ベッドメイクなどがあります。基本的に単純作業やマニュアルをもとに訓練すれば習得できる技能の業務は『技術・人文知識・国際業務』には該当しません。

また次に、「無職の期間があった」場合、目安は3ヶ月以上になりますがこれ以上の無職期間がある場合、在留資格の取消の対象となり、また在留期間更新許可申請を行った際にも不許可になる可能性が高くなります。

『出入国管理及び難民認定法』の違反について

【虚偽申請に対する罪名】
不利益な事実を隠したり、嘘の内容の申請をすることは虚偽申請になります。
この場合「在留資格等不正取得罪(入管法70条1項)」「営利目的在留資格等不正取得助長罪(入管法第74条の6)」という刑罰が課され、3年以下の懲役・禁固若しくは3百万円以下の罰金、またはこれらが併科されます。

【在留資格の範囲外の業務に対する罪名】
不法に入国したり、在留期間を超えて不法に在留したりするなどして、正規の在留資格を持たない外国人を行う就労のこと。また、正規の在留資格を持っている方でも、許可を受けないで在留資格で認められた活動の範囲を超えて行う就労についても不法就労に該当します。
この場合、「不法就労罪(入管法第73条の2)」「不法就労助長罪(入管法第73条の2)」という刑罰が課され、3年以下の懲役・禁固若しくは3百万円以下の罰金、またはこれらが併科されます。

不法就労についての詳細はこちら→警視庁『外国人の適正雇用について

不許可のリスクがある事例②:転職をした場合

転職をした場合、「1 行おうとする活動が申請に係る入管法別表に掲げる在留資格に該当すること」について注意する必要があります。転職後に大きく活動内容が変わる場合、今お持ちの在留資格で認められている範囲内の業務内容であれば問題ありません。

一方で、転職後に在留資格で認められていない活動を行う場合は、転職時に「在留資格変更許可申請」で許可を得てから活動することが求められますし、それに気づかず「在留期間更新許可申請」をする場合は、不許可になるため注意をして下さい。
「働いていればどんな仕事であってもビザの更新は許可される」というのは大間違いです。

転職した人は注意!理由書が必要な場合も

前回の申請(許可)から転職した場合は、「在留期間更新許可申請」の際に再度、業務内容について説明を行う必要があります。

前回の手続後から、転職をした場合は業務内容の審査がされます

「在留資格認定証明書交付申請」「在留資格変更許可申請」「在留期間更新許可申請」の申請時には、必ず業務内容について審査をされます。そして、業務内容を含めて問題が無い事が判断された場合に【許可】を得られます。
しかし、在留資格『技術・人文知識・国際業務』の場合は、転職時にその都度「在留資格変更許可申請」を行う必要はありません。そのため、場合によっては「現在の仕事内容が在留資格の範囲内であるかどうか」が分からないまま働くことになります。
在留資格『技術・人文知識・国際業務』の場合、転職後初めての「在留期間更新許可申請」の際に、業務内容についての説明を求められます。また、業務内容だけでなく「6 雇用・労働条件が適正であること」についても審査をされることになります。

このため、転職をした場合の在留期間更新許可申請時には、「理由書」において業務内容を詳細に説明し、また「雇用条件書」等において労働条件が適正であるか説明をしなければなりません。

『就労資格証明書』があれば不安は減る

現状、「申請」をしなければ業務内容が適正かどうかを判断することはできません。次の在留期限まで時間がある場合(例えば1年後3年後の場合)、今の業務内容に問題が無いか無いものか分からないまま在留するのは不安だと思います。こういった場合に、不安を解消するために事前に業務内容について確認するための申請に「就労資格証明書交付申請」というものがあります。

就労資格証明書では、以下のことが審査されます。

  • 出入国管理及び難民認定法別表第一に定める在留資格のうち就労することができる在留資格を有していること
  • 就労することができない在留資格を有している者で資格外活動許可を受けていること
  • 就労することに制限のない在留資格を有していること。

上記から分かるように就労するにあたって「活動内容」に問題が無いかを審査されることになります。
在留期間更新許可申請時までに、「就労資格証明書」で活動内容に問題が無い事を確認が取れていれば、在留期間更新許可申請では手続きはスムーズに行えるでしょう。

「在留期間更新許可申請」で必要な書類は?~『技術・人文知識・国際業務』編~

具体的に「在留期間更新許可申請時」に必要になる書類について確認してみましょう。

必要書類について ~『技術・人文知識・国際業務』編~

就労ビザにおいて「在留期間更新許可申請」では、転職をした場合、そうでない場合で求められる書類が変わってきます。また、企業の規模や従事する業務によって変わってきます。
転職後に「就労資格証明書」を取得していない場合は、更新時に業務内容の説明をしっかりと行う必要があるため書類の種類は多くなります。また出入国在留管理庁に記載されている転職した場合についても注意書きで、「在留資格変更許可申請」時で求める内容も再度提出をするように記載されています。

ケース必要書類
転職をしていない場合・在留期間更新許可申請書
・写真(4cm×3cm)
・パスポート
・在留カード
・カテゴリーを証明する書類
 →前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計票等
・労働条件通知書 ※派遣社員の場合
・住民税の課税証明書、納税証明書
転職をした場合
【就労資格証明書を取得】
・在留期間更新許可申請書
・写真(4cm×3cm)
・パスポート
・在留カード
・カテゴリーを証明する書類
 →前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計票等
・住民税の課税証明書、納税証明書
・登記事項証明書
・直近年度の決算文書の写し
・在職証明書 ※必須ではない
・就労資格証明書
転職をしていない場合
【就労資格証明書未取得】
・在留期間更新許可申請書
・写真(4cm×3cm)
・パスポート
・在留カード
・カテゴリーを証明する書類
 →前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計票等
・住民税の課税証明書、納税証明書
・労働条件通知書
・採用理由書(業務内容を説明した書類)
・登記事項証明書
・直近年度の決算文書の写し
・申請人の学歴・職歴を示す書類
(履歴書、学校の卒業証明書、成績証明書等)※必須ではない

▶出入国在留管理庁『日本での活動内容に応じた資料【在留期間更新許可申請】

理由書には何を書けばよい?

在留資格『技術・人文知識・国際業務』の場合、業務内容の説明を「理由書」内で説明することになりますが、要件の中でも特に審査官に伝わりにくいと言われているのが下記のポイントです。

No審査官に伝えにくいポイント
1学術的素養を背景した業務であるか
2業務内容が十分にあるか
3勉強内容と業務の関連性があるか
4申請人を採用した背景について(業務を遂行するだけの能力、語学力等を持っているか)
5再申請の場合、前回の不許可理由は払拭されたか

在留資格の審査は書面審査が原則であり、上記の内容を出された書類から判断します。
例えば、「内定通知書」や「雇用条件書」、「在職証明書」などを見て、申請人が従事する業務が「学術的素養を背景にした業務」に該当するかどうか、判断できるかというと困難な場合が多いです。このような場合には、何か補足する資料が必要になります。

「理由書」では疎明資料だけでは伝えにくいポイントを説明していくイメージになります。そして、そのポイントこそが審査官が知りたい内容になります。可能であれば、理由書の他に別途疎明資料などを添付する場合はその細く説明を書くことでより説得力が増します。

No理由書に書く内容審査官に伝えにくいポイント
1申請人について・どういう経歴を経たのか(学歴の説明)
・学校でどのようなことを専攻したのか(業務内容との関連性)
・保有しているスキルについて
・日本語能力について
(業務内容に日本語能力が必要な場合は、従事可能であることをアピール)
2業務内容について・具体的にどのような業務を行うのか
 -1日、1週間、1年単位等の軸で分析
・学術的素養とした業務内容がどの程度あるか
・研修計画やキャリアアップ計画について
3再申請の場合、前回の申請について・再申請の場合、前回の不許可理由は払拭されたか
 -何を指摘され、どのように解決したのか

『理由書』は長く書けばよいものではありません。文章の上手い下手というよりも、審査官が知りたいと思うポイントを伝えることが大事です。

まとめ

以上、就労ビザにおける在留期間更新許可申請の不許可のリスクや必要書類・理由書について説明致しました。
在留期間更新許可申請の場合、前回の申請の内容通りに、かつ真面目に活動していれば、難しい申請になることはありません。一方で、転職をした場合などは「在留資格変更許可申請」や「在留資格認定証明書交付申請」と同様のボリュームで業務内容についての説明が必要になり、また不許可のリスクが通常よりもあることを意識した申請が必要になります。

【行政書士からのアドバイス】

「在留期間更新許可申請」であっても、転職活動期間が長かった場合や在留資格で認められた活動を行っていない場合などには、不許可の可能性が高くなります。在留資格『技術・人文知識・国際業務』では、転職時に変更の申請などが必要はなく、認められない活動(業務)をさせてしまう場合がたまに見られます。
気になることがある場合には、是非お気軽にご相談いただけたらと思います。

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