【本当に週28時間!?】資格外活動許可の注意点について

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よく聞く留学生アルバイトの「週28時間」ルール。正しい内容を把握されていますか?
「資格外活動許可」を取っていても当然に「週28時間」の労働が認められる訳ではありません。また、誰しもが「資格外活動許可」を得られる訳でもありません。本編では、資格外活動許可について解説します。

そもそも「資格外活動許可」は何のためにあるのか

「資格外活動許可」とは、就労自体が制限されていたり(例えば在留資格「留学」「文化活動」「家族滞在」など)、就労可能な範囲が限定している場合(例えば在留資格「技術・人文知識・国際業務」「教育」など)に、今持っている在留資格の範囲を超えて働きたい(報酬を得る活動をしたい)場合に、「許可」をもらうことです。

外国人が日本に在留するためには「許可」が必要

そもそも「許可」というのはどういう意味でしょうか。
入管から「許可」をもらうといった場合の「許可」という単語は法律用語になりますが、他の法令による特定の行為の一般的禁止を特定の場合に解除し、適法にこれをすることができるようにする行政行為のことを言います。

分かりやすいところでいうと、車の運転が挙げられます。道路交通法や基礎的な運転技術を身に着けていない人が車を運転するととても危ないことなので、日本においては車を運転することは一律に禁止されています。運転免許を取ることで、禁止されている車の運転という行為が解除される、このことを「許可」と言います。

日本国籍でない外国籍の方は、日本の領土に上陸する、在留するということは禁止されています。しかし、上陸許可在留許可を得ることで、その行為が適法にできるようになります。

「許可」を得て、できる活動の範囲は限定されている

在留資格は2023年11月現在29種類ありますが、これらは大きく2つの分類に分けることができます。「身分にもとづく在留資格」「活動内容に基づく在留資格」があり、いわゆる“就労ビザ”は「活動に基づく在留資格」に分類され、数え方にもよりますが19種類(+α)あります。

「身分に基づく在留資格」には「永住者」「永住者の配偶者等」「日本人の配偶者等」「定住者」があり、これらには就労制限はありません。 就労も副業も働かないことも自由です。

この“就労ビザ”は、それぞれの在留資格(ビザ)ごとに「活動の範囲」が決められています。“就労ビザ”を申請する際には、ご自身が行う活動(業務)に合う在留資格(ビザ)を申請し、その在留資格(ビザ)の範囲に限って収入を得ることが許可されます。

この「活動の範囲」について、「出入国管理及び難民認定法」の第19条についてこのように書かれています。

第十九条 別表第一の上欄の在留資格をもつて在留する者は、次項の許可を受けて行う場合を除き、次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に掲げる活動を行ってはならない。

一 別表第一の一の表、二の表及び五の表の上欄の在留資格をもつて在留する者 当該在留資格に応じこれらの表の下欄に掲げる活動に属しない収入を伴う事業を運営する活動又は報酬(業として行うものではない講演に対する謝金、日常生活に伴う臨時の報酬その他の法務省令で定めるものを除く。以下同じ。)を受ける活動
二 別表第一の三の表及び四の表の上欄の在留資格をもつて在留する者 収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動

出入国管理及び難民認定法

※別表第一の内容についてはこちらをご確認ください

「別表第一の一の表、二の表及び五の表」の在留資格というのは、いわゆる“就労ビザ”に該当する人のことですが、ここに記載されている通り、「各在留資格ごとに認められている活動に以外の収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動」は「行ってはならない」というルールがあります。
つまり、副業を始めるにあたって、現在お持ちの在留資格の範囲の仕事であれば許可をもらうことなくできますし、それ以外の仕事は「禁止」されている(無許可で行うことは違法)ということになります。

副業を始める場合には、在留資格ごとに活動可能な範囲は限定されていて、特に報酬を得る活動の場合は在留資格の範囲外の報酬を得る活動は「禁止」されている、ということをよく理解しなければなりません。
「禁止されている範囲」は「収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動」です。「事業を運営した結果報酬を受ける活動」とは書かれていないということは、利益が出てなくて受け取る報酬が0円であったとしても「事業運営」はできない、ということになります。これは、例えば「技術・人文知識・国際業務」を持っている方は、この在留資格では企業と契約をして労働を行う活動(すごく平たく言っています)に対して許可が出ますが、この在留資格を持っている人が、サラリーマンを行う傍ら個人事業主としての活動をする場合や、会社経営を行うことは、例え利益が出ていなくても役員報酬が0円であっても事業運営をする活動は「禁止行為」に該当するということです。

この「禁止行為」は、「資格外活動違反」であり、つまりは「不法就労」ということを意味します。

「資格外の活動」をしたい場合は「資格外活動許可」を検討する

先ほど挙げた「出入国管理及び難民認定法」の第19条の続き(二項)にはこのように書かれています。

第十九条 
2 出入国在留管理庁長官は、別表第一の上欄の在留資格をもつて在留する者から、法務省令で定める手続により、当該在留資格に応じ同表の下欄に掲げる活動の遂行を阻害しない範囲内で当該活動に属しない収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行うことを希望する旨の申請があつた場合において、相当と認めるときは、これを許可することができる。この場合において、出入国在留管理庁長官は、当該許可に必要な条件を付することができる。

出入国管理及び難民認定法

「禁止」されている行為は、「許可」を得て解除をすることができますが、今持っている「在留資格」ではできない仕事(報酬を得る活動)についても「許可」を得ることでできるようになる(解除される)場合があります。なぜ、「場合が」あるという書き方をするかというと、資格外活動許可申請をしたところで世の中のすべての仕事(報酬を得る活動や事業を運営する活動)に対して許可が出るわけではないからです。できない活動はできない、ということになります。
「資格外活動許可」と聞くと、今お持ちの在留資格で認められている活動の範囲外すべてに対して許可が出そうな気がしますが、そうではありません。「資格外活動許可」にもルールがあります。

まず、「資格外活動許可」の単語の中の「資格」とは「在留資格」のことです。在留資格は大きく分けて2種類にあり、1つは「活動内容が決められているもの(活動制限があるもの)」、もう1つは「身分・地位に基づくもの(活動制限ながないもの)」です。
活動制限のある「在留資格」で定められた範囲外の活動を行うことを「資格外活動」と言い、収入や報酬を得る活動を行おうためには「資格外活動許可」が必要になります。

資格外活動許可を受けることができる在留資格は、出入国管理及び難民認定法(以下、入管法と言います)別表第一に記載されているものになります。身分系(「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」)についてはそもそも活動内容に制限が無いため取得はできません。

「資格外活動許可」には2つの種類がある

資格外活動許可には留学生や家族滞在の方が取るケースが多い「包括許可」と、すでに“就労ビザ”を持っている人が取る「個別許可」の2種類があります。

包括許可

「留学」や「家族滞在」、「文化活動」、扶養を受ける配偶者や子などの方の「特定活動」の方の場合でパートやアルバイトを行う場合などは、28時間以内の収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動について「包括許可」として認められます。「包括許可」では、タイムカード等で管理できる仕事を比較的自由に行うことができます。就労ビザでは認められない接客や単純労働なども行うことができます。
おそらくよく聞く「資格外活動許可」はこちらですが、これは学生や主婦(夫)が取ることができるものであり、現在“就労ビザ”を持って働いている人は原則、包括許可は取れません。

「包括許可」では、「週28時間」というルールがある限り、タイムカード等で管理できる仕事に限られます。学生の場合は、教育機関の長期休業期間(夏季休業、冬季休業および春季休業として在学する教育機関の学則等により定められる者)にあっては、1日について8時間以内まで認められます(労基法の関係で上限週40時間です)。
ただし、日本の高等学校、中学校、小学校に通う場合は基本的には資格外活動許可は馴染まず、事情を聴取したうえで包括許可ではなく個別許可となります。

※上記以外の場合にも「包括許可」がされ得る特殊な事例はあります。従業員の方やご自身が該当するかどうか気になる場合はお問合せ下さい。

【資格外活動許可欄】
この欄には下記のような文言がかかれているので確認しましょう。

①「許可(原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く。)」
②「許可(資格外活動許可書に記載された範囲内の活動)」
※②については、資格外活動許可書を確認してください。

個別許可

“就労ビザ”を持っている人が資格外の活動をする場合は「個別許可」を受けることになります。「個別許可」では、入管法 別表第一の一や二の表(いわゆる就労を目的とした在留資格で「特定技能」及び「技能実習」を除く)に該当する在留資格で認められている活動を行う場合に許可がもらえます。これは言いかえると、平日に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で活動し、夜間や土日に「コンビニで接客のアルバイト」をするようなことは認められないということになります。何故なら、「コンビニで接客」ができる在留資格は無いからです。

つまり、現在“就労ビザ”で在留している人が副業をする場合に、「資格外活動許可」を申請する場合は、副業内容が“別の”就労ビザで認められている活動であれば、申請の対象になるということです。加えて、副業が本業の活動の妨げにならない範囲の活動でなければなりません。
繰り返しですが、今お持ちの在留資格で認められている活動の範囲外すべてに対して許可が出るわけではなく、他の在留資格で認められている活動内容のみが申請の対象となります。

この個別許可を得るためには、資格外活動許可の次に挙げる「一般原則」の7つの条件を全て満たす必要があります。

資格外活動許可の「一般原則」

資格外活動許可については、(7つの)条件を満たせば許可を得られます。その根拠については本章の最後に掲載をしますが少し分かりにくいため、先に解説をします。

大前提、今持っている「在留資格」の活動が妨げられるようなものでは認められません。これは「時間数」や「収入の多さ」は関係ありません。現在の「在留資格」を申請した際の活動内容を縮小して資格外活動をする可能性がある場合は、慎重に審査される対象になります。
例えば、在留資格「留学」で滞在する人が学校を休み、また勉強もあまりせずアルバイトを熱心に取り組んでいる場合は、資格外活動許可が取り消されるだけでなく、本体の「留学」ビザの更新時に不許可になる原因となる場合があります。

次に、「包括許可」ではなく「個別許可」を受ける場合は、入管法 別表第一の一や二の表(いわゆる就労を目的とした在留資格で「特定技能」及び「技能実習」を除く)に該当する在留資格で認められている活動に対して認められます(先ほど説明した通りです)。加えて、法令違反の活動や風営法で規制のある業務を行う場合も認められません。

素行不良である場合も許可は得られません。素行不良というのは、納税を怠っている場合なども含みます。収容令書の発布又は意見聴取通知書の送達もしくは通知を受けている場合も認められません。
見落としがちですが、現在の所属機関が資格外活動を行うことについて同意を得ていることも条件になります。特にサラリーマンの方は、隠れて副業すると会社で定められている就業規則違反になる場合があるので事前に確認をしっかりしましょう。

注意しなければならないこととして、資格外活動許可で違反をすると「資格外活動許可」が取り消されるだけでなく、「本体の在留資格」も危うくなる(例えば、次の更新で不許可になって帰国せざるを得なくなる)ので注意をして下さい。

以上が、資格外活動許可を得るための条件となります。

【参考】出入国在留管理庁『資格外活動許可について』では、下記のように書かれています。

(1) 申請人が申請に係る活動に従事することにより現に有する在留資格に係る活動の遂行が妨げられるものでないこと。
(2) 現に有する在留資格に係る活動を行っていること。
(3) 申請に係る活動が法別表第一の一の表又は二の表の在留資格の下欄に掲げる活動(「特定技能」及び「技能実習」を除く。)に該当すること。
(注)「包括許可」については当該要件は求められません。
(4) 申請に係る活動が次のいずれの活動にも当たらないこと。
 ア 法令(刑事・民事を問わない)に違反すると認められる活動
 イ 風俗営業若しくは店舗型性風俗特殊営業が営まれている営業所において行う活動又は無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型性風俗特殊営業、店舗型電話異性紹介営業若しくは無店舗型電話異性紹介事業に従事して行う活動
(5) 収容令書の発付又は意見聴取通知書の送達若しくは通知を受けていないこと。
(6) 素行が不良ではないこと。
(7) 本邦の公私の機関との契約に基づく在留資格に該当する活動を行っている者については、当該機関が資格外活動を行うことについて同意していること。

出入国在留管理庁『資格外活動許可について

本当に「週28時間」働いていい?

さて、ここまでそもそも「資格外活動許可」とは何なのかについて説明をしてきました。ここまで(特に一般原則)を踏まえて、本題の「本当に週28時間働いてよいのか」について解説します。

週28時間の考え方

「週28時間」については、どのよう日から1週間を起算した場合でも常に1週間について28時間以内でなければなりません。

これは、月間を通しての平均でもなく、「年収÷時給÷12(か月)÷4.3(週)」で算出した結果でもありません。「どこの連続する7日間を切り取っても週28時間」である必要があります。
学生の長期休業中のアルバイトについても同様に、学則で定められた期間に限り「1日あたり上限8時間」(+労基法の遵守が必要です)働いてよいことになります。

次に、1人の労働時間で見て「週28時間」であり、1つの就業先で「週28時間」ではありません。雇用側としては、自社のシフトだけ見て時間を厳守しているつもりでも、気づかず内に「不法就労」を助長している可能性もあります。
「不法就労助長罪」は知らなかった・気づかなかったではすまされないため、外国籍従業員を雇用する場合にはしっかりとコミュニケーションをとり、シフトを管理する必要があります。

「週28時間」までなら働いてもいいのか

答えは「No」です。

現在持っている在留資格で認められた活動をしっかりと行えていない場合は、当然認められません。
よくある例を挙げます。

  • 留学生で出席率が著しく低い場合や成績が悪い場合
  • 「家族滞在」で在留する人が扶養の範囲を超えて働く場合。
    →実務レベルだと年収130万円を超えると扶養の範囲を超えているとして不許可となる場合があります。

では、どこまでなら認められるのかと、よくご相談をいただきますが、しっかりとご家族・会社・学校の先生と相談の上、状況に合わせて判断しなければなりません。

資格外活動許可の再確認すべきポイント

最後に「資格外活動許可」についての確認ポイントをまとめました。

①「在留資格外」なのか「在留資格内」なのか

資格外活動許可はどのような活動であっても、また誰にでも認められる者でもありません。まずは、持っている在留資格で活動できる範囲を確認し、行いたい報酬を得る活動が資格外活動許可で許可され得るものなのかを確認しましょう。

留学生の場合は学業に支障があってはなりませんし、家族滞在の場合は例え28時間以内であっても扶養の範囲内を超える活動は許可されません。その他の在留資格でも現在の在留資格の活動に大きな影響があるような活動はできないことを注意しなければなりません。

②「個別許可」なのか「包括許可」なのか

特に注意が必要なものは、「業務委託契約」などで活動を行う場合です。基本的にタイムカードで就業時間を管理されない場合は「包括許可」で認められる活動ではなく、「個別許可」を取得する必要があります。

③資格外活動許可の期間

原則、在留期限までになります。期間の定められた雇用の場合はその期間が終了するまで認められます。
ただし、忘れてはならないのが「資格外活動許可」の一般原則(2)「現に有する在留資格に係る活動を行っていること。」です。審査要領にも書かれているように、特に留学生の場合は学校を卒業や退学したら在留期限が残っていても「資格外活動」はできません。

まとめ

以上、資格外活動許可について解説しました。
よく聞く留学生アルバイトの「週28時間」の決まりは、「包括許可」によるものでタイムカードで管理できる場合のみ認められるものになります。また、「週28時間」の決まりを守っていても、本体の「在留資格」の活動に影響が出る場合には認められません。
外国人従業員を雇用する際には、しっかりとコミュニケーションを取って状況を確認するようにしましょう。

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