外国人留学生を4月1日に入社させるには?新卒採用の「ビザ変更スケジュール」について

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来春に入社予定の内定者フォローや入社準備が本格化する時期となりました。優秀な外国人留学生に内定を出し、来年の4月1日から自社の戦力として迎え入れる予定の企業様も多いことでしょう。ここで人事担当者が直面する最大の壁が、「留学」の在留資格(ビザ)から「就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)」への変更手続きです。

「3月に学校を卒業して、卒業証書をもらってからビザの申請をすればいい」と考えている企業様がいらっしゃいますが、それでは4月1日の入社には絶対に間に合いません。
今回は、新卒の外国人留学生をスムーズに4月1日に入社させるための「最短スケジュール」と「許可までの特殊なフロー」、そして実務で頻発する「内定辞退・重複申請」などのトラブル対応について徹底解説します。

4月入社は「前年12月」からの申請が鉄則!

在留資格「留学」から「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザへの変更審査には、通常でも1ヶ月〜3ヶ月程度の時間がかかります。さらに、毎年3月〜5月の出入国在留管理局(入管)は、卒業シーズンということもあり、特に就労部門の申請が殺到し、1年で最も混雑する「超繁忙期」を迎えます。特に東京入管などでは、この時期に申請窓口に並ぶだけでも数時間待ちとなるのが常態化しています。

出入国在留管理庁ホームページで公表されている「在留審査処理期間」の統計データ(2026年3月実績)を見ると、「技術・人文知識・国際業務」への変更申請にかかる日数は「2ヶ月」以上かかっていることが分かります。

しかし、この統計データはあくまで「全国の入管の平均日数」であることに注意が必要です。 入管によって混雑状況は大きく異なり、特に東京出入国在留管理局などは常に激しく混雑しています。全国平均で2ヶ月ということは、東京などの管轄では「2ヶ月以上かかることを想定したほうがよい」というのが実態です。

当事務所の現場での傾向

審査期間は、提出先の入管の混雑状況や申請内容によって左右されるため一概には言えませんが、当事務所が扱う案件の傾向として、審査の長期化が顕著になっています。 2023年頃までは、新卒者の審査期間は大体1~2ヶ月程度でした。そのため「2月に申請を出せば、ギリギリ4月1日入社に間に合うか間に合わないか」といった状況でしたが、2026年の実績では、審査期間は「2~3ヶ月程度」かかっている印象です。

入管は春卒業の留学生については、例年12月1日から申請を受け付けており、「卒業見込み」のステータスで審査をしてくれます。
つまり、4月1日入社に確実に間に合わせるのであれば、「遅くとも年明け早々(1月中)には申請を終わらせておきたい」というのがプロとしての結論です。

そのため、担当者は「4月入社に間に合わせるなら、12月中、遅くとも1月上旬には申請を完了させる」という目標を逆算して、秋口から書類の準備をスタートさせる必要があるのです。

「卒業見込み」で進める!申請からビザ取得までの4ステップ

新卒採用(来春・3月卒業生)の場合は、例年12月から申請の受理が開始され、実際に在留カードを受け取るのは、卒業式が終わってから入社までの間になります。

在留資格「留学」から「技術・人文知識・国際業務」へ変更する手続きは、内定をもらってから(雇用契約を交わしてから)入社するまでの間に行います。在留資格申請のためには、必要書類を集めて、申請書類や理由書を作らなければなりません。準備期間は2~3週間を見ておきましょう。準備が整ったら、入管に申請をします。

では、まだ学校を卒業していない(卒業証書がない)段階で、どのように手続きが進むのでしょうか? 新卒留学生特有の「許可までの流れ」は、以下の4ステップで進行します。

ステップ①:10月〜11月(書類準備と要件の確認)

まずは企業側の書類(決算書、給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表、雇用契約書、採用理由書など)と、学生側の書類を準備します。ここで注意すべきは「企業のカテゴリー(規模)」によって入管へ提出すべき書類の量が全く異なるという点です。中小企業等の場合は提出書類が多岐にわたるため、早めの準備が必要です。 また、学生には学校から「卒業見込証明書」と「成績証明書」を発行してもらいます。

ステップ②:12月〜1月(「卒業見込証明書」での申請受付)

準備した書類一式と「卒業見込証明書」をもって、管轄の入管へ「在留資格変更許可申請」を行います。この申請は原則として留学生本人が行いますが、行政書士(申請取次行政書士)に依頼することで、本人や人事担当者が入管へ出向く手間を省くことができます。

ステップ③:2月〜3月(審査完了の「ハガキ」到達と待機)

審査が無事に完了すると、入管から本人宛に結果通知の「ハガキ(通知書)」が届きます。しかし、この時点ではまだ「就労ビザ」は手に入っていません。 このハガキはあくまで「現在のところ審査はパスしています。無事に卒業できたら新しい在留カードを渡しますよ」という“引換券”のようなものです。この段階で働き始めることはできません。

ステップ④:3月中旬〜下旬(卒業証明書の提示と新しい在留カードの交付)

3月の卒業式を終え、学校から正式な「卒業証明書(または卒業証書の原本)」を受け取ったら、留学生本人がステップ③のハガキと新しい「卒業証明書」を持って再度入管へ行きます。窓口で無事に卒業した事実が確認されて初めて、その場で「技術・人文知識・国際業務」等の新しい在留カードが交付されます。 これをもって、晴れて4月1日から適法に働くことができるようになります。

新卒あるある!?よくあるトラブルと対応について

トラブル①:3月に「単位不足で卒業できない」ことが判明したら?

新卒採用において、3月になってから「単位を落としてしまい、卒業できなくなりました(秋卒業になります)」と学生から泣きつかれるケースが毎年必ず発生します。

この場合、入管から届いていたステップ③のハガキ(許可の内定)は無効となります。 就労ビザの前提条件である「学歴(大卒や専門学校卒)」を満たせなくなったため、当然ながらビザの変更は認められません。

この際、企業が「秋に卒業するまで、アルバイトとして雇いながら待とう」と考えるのは非常に危険です。本来の卒業予定時期を過ぎて留年が確定した場合、留学生としての「本来活動」を行っていないとみなされ、最悪の場合は帰国を命じられるリスクもあります。 もし卒業延期者を継続して雇用したい場合は、安易に自己判断せず、必ず入管等へ現在の在留状況の維持や変更(特定活動への変更等)が可能かどうかご相談ください。

トラブル②:人事の悩みの種「内定辞退」。ビザ申請中・許可後に辞退されたら?

新卒採用において、日本人の学生でも起こり得る「内定辞退」ですが、相手が外国人留学生の場合、人事担当者は「ただ辞退を受け入れて終わり」というわけにはいきません。

もし、在留資格の変更申請を進めている途中で「やっぱり母国に帰ることにしました」「別の進路に進みます」と辞退の申し出があった場合、企業側には進行状況に応じた入管への手続き(報告義務)が発生します。これを放置すると、企業のコンプライアンス(法令遵守)体制が問われるリスクがあります。

辞退のタイミングによって、以下の対応を速やかに取る必要があります。

■ ケース1:ビザ「申請中」に辞退された場合

審査が行われている最中に内定辞退となった場合、企業は速やかに管轄の入管へ「申請の取下書」を提出し、申請を取り下げる必要があります。 「もううちの会社には来ないのだから、本人が自分でなんとかするだろう」と放置してはいけません。放置したまま万が一許可が下りてしまうと、「入社しない学生のために、自社が架空の雇用先(スポンサー)として虚偽の申請をした」という状態になりかねません。

もしくは、母国に帰る場合については、出国時に取り下げを申告することで申請を取りやめることもできますが、内定者の「急遽母国へ帰国することになったので」という理由が真実かどうかは分からないため、帰国の申告があった場合でも上記の取り下げをしたほうがよいでしょう。

■ ケース2:審査完了(ハガキ到達後)や、新しい在留カード交付「後」に辞退された場合

最も厄介なのが、許可が出た後、入社直前の3月下旬などに土壇場で辞退されるケースです。
ハガキ到着後については、ケース①の方法で取り消すことが可能です。新しい在留カード交付「後」については、タイミングと状況次第での対応になるため、入管等に1度相談されることをお勧めします。

まとめ

卒留学生のビザ変更は、「12月の早期申請スタート」「3月の卒業証明書の提示からの在留カードの受取」という、中途採用にはない特殊でシビアなスケジュール管理が求められます。 万が一、企業側の用意した書類に不備があったり、入管から追加資料の提出(資料提出通知書)を求められたりして審査が長引けば、4月1日の入社式には間に合わなくなってしまいます。

「初めての外国人新卒採用で、段取りが分からない」 「自社の業務内容で、許可が下りる可能性があるか事前に知りたい」 「忙しくて、本人と入管の手続きをやり取りしている余裕がない」


そんな時は、12月の申請ラッシュが始まる前に、ぜひ当事務所へご相談ください。 申請スケジュールの立案、確実な書類作成、入管への申請代行まで、人事ご担当者様の負担を大幅に軽減するトータルサポートをご提供いたします。

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