ビザ申請における企業の「カテゴリー」て何?「カテゴリー」で何が変わる?

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『技術・人文知識・国際業務』『企業内転勤』『経営・管理』ビザなど、申請の際に「カテゴリー」が影響するビザもあります。カテゴリーは企業の規模等を示すものであり、所属機関の形態や「給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額」で決まります。ざっくり言ってしまうと、従業員数も多く安定している企業はカテゴリー1,2に属し、従業員数がそこまで多くない場合はカテゴリー3,4に分類されます。

ビザ申請におけるカテゴリーとは

『技術・人文知識・国際業務』『経営管理』『企業内転勤』等の在留資格では、企業の規模が申請にあらゆる面で影響してきます。例えば、申請そのものの必要書類であったり審査期間が異なります。なぜ、企業の規模が審査に影響するのかというと、一般的により企業の規模が大きく給与をしっかりと支払っている企業であるほうが、「安定的・継続的」な経営が実現できいると考えられているからです。
企業の規模については従業員数や資本金、売上高ではなく「所属機関の形態」や「給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額」によって判断されます。

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給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計票

「給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額」の見方は、「給与所得の変遷徴収票等の法定調書合計票」で確認することができます。
カテゴリー2、3では赤い枠内の金額が基準になり、金額が1000万円以上の場合はカテゴリー2,それ未満の場合はカテゴリー3になります。

カテゴリー1

カテゴリー1に該当する企業は、「給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額」ではなく「所属機関の形態」で判断されます。上場企業や公の機関や法人、保険業を営む相互会社などが該当します。

(1) 日本の証券取引所に上場している企業
(2) 保険業を営む相互会社
(3) 日本又は外国の国・地方公共団体
(4) 独立行政法人
(5) 特殊法人・認可法人
(6) 日本の国・地方公共団体認可の公益法人
(7) 法人税法別表第1に掲げる公共法人
(8)高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)
※対象はリンク先の「イノベーション促進支援措置一覧」をご確認ください。
(9)一定の条件を満たす企業等

カテゴリー2

カテゴリー2に該当する企業は以下の通りです。「給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額」で判断され、ある程度従業員規模の大きい企業が該当します。非正規雇用労働者(アルバイトなど)の人数にもよりますが従業員数が200人以上の場合、該当することが多くなります。給与所得水準が高い企業であれば、これより少ない人数であってもカテゴリー2に該当することがあります。
また、オンラインシステムの利用をしている場合は、源泉徴収税額が基準未満であってもカテゴリー2に該当します。

(1) 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中,給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人
(2) 在留申請オンラインシステムの利用申出の承認を受けている機関

※在留申請のオンラインシステムについてはこちら

カテゴリー3

カテゴリー3に該当する企業としては「前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く)」が該当します。源泉徴収税の合計額が1,000万円未満の企業が該当します。

カテゴリー4

カテゴリー1,2,3のいずれにも該当しない団体・個人が該当します。主に創業から1年以内の企業がカテゴリー4に該当します。

カテゴリーが異なると何が違う?

カテゴリー1,2,3,4とあるように、カテゴリー1が最も企業規模が大きくまた経営もより安定していると入管は捉えています。カテゴリー3,4の企業は、カテゴリー1や2と比較して細かく審査がされる傾向があります。

審査期間が異なる

在留資格の申請は、申請した順番に結果が出るわけではありません(先入先出ではありません)。特に、「在留資格認定証明書交付申請」や「在留資格変更許可申請」の場合は、早い場合で2週間、長い場合で7か月(もしかしたらもっと長い場合もあるかもしれません)かかる場合があります。

この審査期間の長さを左右している要因の一つに「カテゴリー」が挙げられます。比較の話にはなりますが、カテゴリー1,2は3,4よりも早く審査結果が出る傾向があります。

審査期間を左右しているのはカテゴリー以上に、「申請そのものの内容」次第というところもあります。簡単に言ってしまうと申請内容が、在留資格に分かりやすく該当している場合は比較的早く結果が出る傾向があります。
審査期間が長くなる傾向があるものとして、慎重な審査を必要としている申請内容の場合は長くなります。例えば、「飲食店でSVを務める」「金属加工工場内でエンジニアとして働く」など、一般的に「単純労働」や「技能」、「マニュアルをみれば習得できる業務内容」と誤解しやすい業務内容の場合は、慎重に審査される傾向があります。

こういった業務に該当する場合、カテゴリー1,2の場合でも審査に時間がかかる場合があります。
また、その他に審査期間の長さに影響するものとして、単純に「入管」の混み具合も影響します。混んでいる場合は、審査の順番待ちで結果が出るまでに時間がかかるため、東京や名古屋などの申請件数の多い入管は結果が出るまでに、他の入管に比較して時間がかかります。

申請の際に必要な書類が異なる

カテゴリーによって、申請時に必要な書類が異なります。カテゴリー1が最も添付資料が少なく、カテゴリー4が最も多くなります。
『技術・人文知識・国際業務』の海外から申請人を招聘する場合の【在留資格認定証明書交付申請】のケースを例に確認してみましょう。

各カテゴリーの共通
  1. 在留資格認定証明書交付申請
  2. 証明写真(3cm×4cm)
  3. 返信用封筒(404円の切手を貼付したもの)
  4. 専門学校を卒業し、専門士又は高度専門士の称号を付与された者については、専門士又は高度専門士の称号を付与されたことを証明する文書
カテゴリー1
下記いずれかの書類
・四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(写し)
・主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)
・高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)であることを証明する文書(例えば,補助金交付決定通知書の写し)
上記「一定の条件を満たす企業等」であることを証明する文書(例えば,認定証等の写し)
カテゴリー2
下記のいずれかの書類
・前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
 ・在留申請オンラインシステムに係る利用申出の承認を受けていることを証明する文書(利用申出に係る承認のお知らせメール等)
カテゴリー3
  1. 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
  2. 申請人の活動の内容等を明らかにする次のいずれかの資料
    1. 労働条件通知書
    2. 役員報酬を定める定款の写し又は役員報酬を決議した株主総会の議事録
    3. 地位(担当業務),期間及び支払われる報酬額を明らかにする所属団体の文書
  3. 申請人の学歴及び職歴その他経歴等を証明する文書
    1. 申請に係る技術又は知識を要する職務に従事した機関及び内容並びに期間を明示した履歴書
    2. 学歴又は職歴等を証明する文書
  4. 登記事項証明書
  5. 事業内容を明らかにする次のいずれかの資料
    1. 勤務先等の沿革,役員,組織,事業内容(主要取引先と取引実績を含む。)等が詳細に記載された案内書
    2. その他の勤務先等の作成した上記(1)に準ずる文書
  6. 直近の年度の決算文書の写し
カテゴリー4
  1. 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
  2. 申請人の活動の内容等を明らかにする次のいずれかの資料
    1. 労働条件通知書
    2. 役員報酬を定める定款の写し又は役員報酬を決議した株主総会の議事録
    3. 地位(担当業務),期間及び支払われる報酬額を明らかにする所属団体の文書
  3. 申請人の学歴及び職歴その他経歴等を証明する文書
    1. 申請に係る技術又は知識を要する職務に従事した機関及び内容並びに期間を明示した履歴書
    2. 学歴又は職歴等を証明する文書
  4. 登記事項証明書
  5. 事業内容を明らかにする次のいずれかの資料
    1. 勤務先等の沿革,役員,組織,事業内容(主要取引先と取引実績を含む。)等が詳細に記載された案内書
    2. その他の勤務先等の作成した上記(1)に準ずる文書
  6. 直近の年度の決算文書の写し。新規事業の場合は事業計画書
  7. 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出できない理由を明らかにする次のいずれかの資料
    1. 国法人の源泉徴収に対する免除証明書その他の源泉徴収を要しないことを明らかにする資料
    2. 給与支払事務所等の開設届出書の写し・直近3か月分の給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書or納期の特例を受けている場合は,その承認を受けていることを明らかにする資料

上記のように、カテゴリー1,2とカテゴリー3,4とでは必要になる書類の数が異なってきます。カテゴリー3,4のほうが提出すべき書類の量は多くなっています。

審査内容が異なる

これも比較の話になりますが、カテゴリー3,4は1,2と比較して審査期間が長い、また必要になる書類の数が違うということは、しっかり審査されていることが考えられます。これは決して、カテゴリー1,2が企業規模だけで適当な審査を行われているわけではなく、比較してカテゴリー3,4のほうがしっかりと審査されていることを意味します。

企業規模とビザ申請について

よく「企業規模が小さい(従業員数5人以下)だと許可はおりにくいか?」や「雇用主が個人事業主の場合は難しいか?」と質問をされますが、実際は、5人以下の小規模な企業でも雇用主が個人事業主であっても問題なく許可は下ります。

ビザ申請において重要なのは、「事業の規模」以上に「どのぐらい申請内容の業務があるのか」ということです。申請した業務内容が十分にあることを立証できれば、事業の規模は関係なく許可は下ります。逆を言えば、在留資格の範囲内の業務内容が無ければ、事業規模がどんなに大きく例えカテゴリー1の企業であったとしても不許可が出るということです。

まとめ

以上、ビザ申請に関する「カテゴリー」について解説しました。
申請において、事業規模が大きいほうが申請時の必要書類が簡略化され、また審査期間も短くなります。しかし、企業規模が小さいからといってそれ自体によって申請が”不利”になることは決してなく、結局のところ業務内容がきちんと立証できるかにかかってきます。そのために、申請内容によっては入管のHP以上の必要書類を提出する必要もあります。

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