【質問⑦】「技術・人文知識・国際業務」ビザの外国人はアルバイトはできますか?

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在留資格(ビザ)が「技術・人文知識・国際業務」の外国人をアルバイトで雇用することはできますか?
はい、アルバイトという契約形態で雇用すること自体は問題ありません。

上記の質問について詳しく解説します。

問題は「アルバイト」ではなくて業務内容

このような質問時に問題になるのが、「アルバイト」という雇用形態ではなく、「業務内容」になります。「業務内容」が問題無ければ「アルバイト」は可能です。

そもそも『技術・人文知識・国際業務』はどんな在留資格(ビザ)

まずは『技術・人文知識・国際業務』について説明します。『技術・人文知識・国際業務』は“サラリーマン”であればどのような活動ができるというわけではありません。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」とは

「在留資格」とは、外国人が合法的に日本に上陸・滞在し、活動することのできる範囲を示したものです。2023年6月現在29種類の在留資格があります。在留資格は「ビザ」という名称で呼ばれることが多いです。この29種類の在留資格のうち「就労ビザ」という在留資格はなく、就労が可能な在留資格のなかでも、活動可能な範囲は細かく分かれています。どのような就労ビザを選んでも、世の中の仕事のうち就職ができない業務もあります。

『技術・人文知識・国際業務』で認められる活動範囲は下記のように定められております。

本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学、その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、その他の人文科学の分野に属する技術もしくは知識を要する業務部又は外国の文化に基盤を有する思考もしくは感受性を必要とする業務に従事する活動

もっとざっくりに説明をすると、『技術・人文知識・国際業務』はこのような在留資格になります。

会社等において 学校等で学んだこと/実務経験を活かした 知識や国際的な背景(言語や外国の感性等)を要する(「単純作業」、「訓練で習得する業務」、「マニュアルがあれば遂行可能務」等を除く)仕事をすることを目的とした在留資格(ビザ)

『技術・人文知識・国際業務』という少し長い在留資格名ですが、もともとは『技術』と『人文知識・国際業務』と分かれていました。日本の企業では部門をまたぐ配置転換も多々想定されることもあり、今では『技術・人文知識・国際業務』とひとつの在留資格になっています。

「アルバイト」かどうかはそこまで重要ではない

この在留資格における「本邦の公私の機関との契約に基づいて」という部分ですが、ここは「雇用契約」や「業務委託契約」などといった「労務を提供と報酬に関する契約」があればよいと言うことになっています。アルバイト(短期雇用契約)での雇用というのは「雇用契約」に含まれますので、「アルバイト(短期雇用)」そのものは問題はありません。

契約内容次第では「アルバイト」は可能です

「アルバイト」は可能ですが、注意点があります。注意点としては2点あります。

注意点① 業務内容について

上記に“ざっくり”と説明しましたが、『技術・人文知識・国際業務』では、「単純作業」、「訓練で習得する業務」、「マニュアルがあれば遂行可能務」等の業務はできません。
「アルバイト」と言って想起される仕事として、コンビニなどの小売店での接客、レストランなどの外食店での配膳や調理、物流関係のピッキングや配達員、ビルメンテナンス会社における清掃員などが挙げられますが、よく「アルバイトはNGです」と説明される背景としては、「アルバイト」と聞くと特に専門知識を必要としない業務を想起するからだと思います。

逆を言えば、『技術・人文知識・国際業務』の活動可能な範囲内でしたら「アルバイト」は可能と言うことになります。例えば、普段ITエンジニアをしている人が、英会話スクールで語学講師のアルバイトをする場合などは、問題なく「アルバイト」は可能といえます。

注意点② 就業時間について

もう一つ「アルバイト」と聞くと、想起されるポイントして「シフトで就業時間や収入が安定しない」と言うことが挙げられます。ちなみにですが『技術・人文知識・国際業務』では、有効な雇用契約書であれば時給で雇用されることも可能です。
しかし、「シフトに入れなくて生活できない」というのは問題です。例えば、週1日だけ働いてあとは母国から仕送りを受け取ってなんとか生活している場合は、「安定的な就労が行われていない」という理由で、次に在留期間の更新の手続きを行った際には不利な結果が出る可能性があります。
入管は「フルタイム」として週30時間を一つの目安にしていますが、この就労時間数を下回っている状態は好ましくないと言えるでしょう。

「資格外活動許可」を取ることでアルバイトは可能ですか?

平日日中は正社員で『技術・人文知識・国際業務』の仕事をし、夜間や休日に資格外のアルバイトというご相談をよく受けますが、「資格外活動許可」を取ることで解決する場合としない場合があります。

よく質問をされる内容で「できない」ケース

現在の会社の収入では足りないから、「資格外活動許可」をとってコンビニやレストランで接客のアルバイトや物流倉庫で夜間にピッキングアルバイトをしたい、というご相談を時々受けますが、これらは「できない」ケースになります。

理由としては、小難しい説明を省略して分かりやすく回答すると、留学生が行っているアルバイトは「包括許可」という種類の「資格外活動許可」に該当するもので、時間制限と少しの業種制限の範囲内であればアルバイトが可能でしたが、『技術・人文知識・国際業務』を持っている人は、原則的には「包括許可」は取得できないからになります。

※会社都合で退職になった場合は事情が異なります。「包括許可」のアルバイトができる場合があります。

「資格外活動許可」を取ることでアルバイトが「できる」ケース

一度復習になりますが、業務内容が問題無ければ『技術・人文知識・国際業務』では、特に入管に許可を取ること無く「アルバイト」は可能です。
という前提のもと、「資格外活動許可」がなければ「アルバイト」が「できない」ケースというと、他の在留資格で活動可能な業務内容を行いたい場合が該当します。例えば、平日は技術者として企業で製品開発などを担当している人が、週に1日ほど大学で講義を行う場合などが想定されます。
※逆の事例は多いかと思います。平日は大学で講義をし(在留資格「教授」)、土日に英会話スクールで語学教師をしたい場合は、「資格外活動許可」を取ることでアルバイトは可能になります。

まとめ

以上、『技術・人文知識・国際業務』で働く人は「アルバイト」は可能かどうかについて解説しました。
結論は可能ですが、契約内容(特に業務内容次第)と言うことになります。活動内容が『技術・人文知識・国際業務』の範囲内である場合には、入管に対して許可を取る必要もなく可能です。一方で、例えばコンビニでの接客アルバイトなど、どの就労ビザでも認められていない業務内容の場合は、「資格外活動許可」を取ることもできないため、アルバイトは原則できないということになります。

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